また余計なことを・・・

30代、どう楽しく緩やかに生きよう

コンビニで成人誌の取り扱い中止に賛成の私。

本当に、ジェンダー関係のニュースというものは日々新しいことがすぐに出てくるなぁという感想。

世間の意見を追っているとすぐに置いて行かれている感。出遅れた感。
なかなか最先端の波に乗れない私。石川優実@ishikawa_yumi)です。

コンビニで成人誌の取り扱い中止

mainichi.jp

成人誌がコンビニで取り扱いされなくなるそうですね。
正直私は自分が成人誌に載っていた立場だし、あんまり気にしたことはなかった。だって気がついたらいつもどこでもそこにあったから。コピーする時も隣にあったから。

様々な意見が飛び交っていたこの件ですが、私が思うこと。
それは、「コンビニに成人誌がなければいけない理由ってなに?」ということ。

今回の騒動で、私は改めて見に行ってみました、コンビニの成人誌コーナーを。
コンビニに置いてある成人誌はR指定がされておらず、成人誌の中でもソフトなものだそうです。

そう聞いて表紙を見てみると・・・
「生中出し」とか「アナルファック」とか、言葉を聞くだけで「う・・・」となるようなものが多かった。

フィクションや性癖として認識できるのか?

性教育でコンドームを必ずつけること、ピルを飲むことを頑張って推奨して、望まない妊娠や中絶、性感染症をなくそうと頑張っている中、日常的にこのようなものを目にする小中高生はどう思うのだろうか。

成人誌では、「生中出し」が良いことかのように描かれている。男性はそれを望んでいる、中には女性もそれを望んでいるかのような。

もちろん、お互いが子どもを作るという前提で生中出しはあるだろう。だけれど、あの表紙を見ているととても子作りのための生中出しとは思えない。
気軽にするセックスで、生中出しが当たり前、むしろ良いこととして刷り込まれやしないだろうか、と不安になった。

女性の私から見て、男性向けの成人誌は暴力的なものが多いな、と感じる。無理やりセックスをすることは犯罪だし、だけれどそれがしてもいいことかのように描かれている。女性が尊重されているような成人誌をあまり見かけない。そういう表現をしている本もあれば、自分の経験からすると本当に人として扱われていないモデルさんが掲載されていることもゼロとは言えないだろう。18歳の頃、成人誌に載っていた私は、契約外の露出を掲載されたりと、やはり人権を無視されていた。

もちろん、そのような表現を非難するわけではない(モデルさんの意思をしっかりと尊重した上でそのような表現をすること)。世の中にはいろんな性癖がある。犯罪を実際にしなければ、楽しむのは自由だ。だけれど、それを18歳に満たない子どもの目につく場所で販売する必要性はどこにあるのだろうか。

大人でさえ、AVと現実の区別がつかない人はいる。(レイプをセックスの一つだと思っている、痴漢をされて女性は喜んでいる、強く手マンをした方が女性は気持ち良い、潮を吹く=気持ちが良い、などなど)。18歳未満の子どもが正しい性教育をされていない現状で、きちんと区別はできるのだろうか。私はそうは思わないので、賛成だと思った。

出版社の戦略ミスでは?

今回の成人誌の取り扱い中止の理由に、「女性や子ども、オリンピックで訪日する外国人観光客への配慮」との発表があった。

その裏には、コンビニでの成人誌の売り上げが低下しているというものがあったともよく耳にする。

どっちにしても、私は成人誌を作っている出版社の戦略ミスだと思う。

女性や子ども、外国人への配慮が理由ならば、その人たちが見ても安心できるような成人誌の表紙を作ればよかったのではないかと思う。中身は見えないんだからいくら中で過激にしたって、表紙だけでももっともっとソフトにすればよかったのではないか。

それだと売れないと思ったのだろうけど、コンビニでの成人誌の売り上げが低下していたのだったとしたらそれでも売れてなかったのだから、やっぱり出版社が売れる成人誌を作れなかったんじゃん、と思う。

過激じゃないと売れない論は正しいのか

グラビアの仕事をしている時に、ずっと疑問だったことがある。先日の週刊SPA!にも言えるけれど、本当に過激じゃないと売れないのだろうか?
AVもグラビアも、どんどん過激になっていくけれど果たしてそれは本当に求められているのだろうか?
供給する側が過剰にそう思いすぎてないか?と思ってしまう。

グラビアのDVDの売り上げ、何本か出したけど過激にすれば売れるってもんでもなかった。今回はぬるかったかなと思ったものがバーっと売れたりもした。
だから辛い思いをして過激なことをしたのにな、とか思うこともあった。

過激競争をしているから買手も成人誌を買いたい時は過激なものを買うしかないみたいになっていないだろうか?

コンビニに置く成人誌の表紙も、なんとか過激さを残しつつというところを頑張っていたように思えるけど結局売り上げが下がっているのならば、そもそもそこを求めている人ばかりではないのかもしない。なんて思った。

女性向けの成人誌はないの?

friday.kodansha.co.jp

この記事の中で、「女性も成人誌を買えばいい」と書いてあったけど、コンビニで女性向けの成人誌を見たことがない。男性向けに作られたものを楽しめる人もいるけれど、そうでない女性も多い。

だったら女性向けの成人誌を作ってくれれば良かったのに、と思った。
なんで撤去になる前にそれを考えてくれなかったんだろう。
あの成人コーナーの半分が女性向けの成人誌になっていたら、もっと多くの女性からも「このままで!」と言われたかもしれない。

「女性は成人誌なんて買わない!」と思い込んでいる男性の作り手が多いであろう出版社・「成人誌を買っている女性はヤリマンだ・はしたない」とかいう時代遅れの価値観のおかげで、女性は成人誌が欲しくても手に入れられない状況なのではないだろうか。電子書籍は女性のエロがたくさん売れているらしいから。

コンビニはどの年代のどの性別の人も使う場所。
子どもや女性の存在を無視した結果なんじゃないのかなと思う。

と、いうことで私はこれをきっかけに子どもが目にしても良い成人誌を作って欲しいし、女性向けの成人誌を作りたいと思っているので、頑張ります。以上。