SPA!への批判を「フェミニストは性に奔放な女性を悪とするのか」と受け取る人がいる現象について
長くなりましたが、タイトルにある通りです。
SPA!「ヤレる女性大生ランキング」批判署名活動
SPA!の「ギャラ飲みでヤレる女性大生ランキング」に対して「女性を軽視した出版を取り下げ、謝罪してください」という署名活動がされ、実際に販売停止、謝罪文が発表されたというものです。
この件自体の内容は、もうすでに色んなメディアが取り上げているので割愛します。
このSPA!の件が炎上して私が思ったことは、
「ヤレる」ってすごい嫌な表現だな。女性側の意思が全く見えない。
「セックスしたい」だったらここまでならなかったんじゃないのかな?
つまり、「ヤレる」という言葉には性行為を行う際に一番大切な「性的同意を得る」ということが全く考えられていない印象を与え、ただでさえ同意を取るということが軽視されがちな日本で、(海外ではセックスをする際にアクションを起こす側が同意を取ることが常識とされている、詳しくは
>>#Metooしたグラビア女優・石川優実が聞く、大切な「性的同意」のこと - wezzy|ウェジー
>>「性的同意」について知ること。大学生にとって性暴力は身近な出来事だから - wezzy|ウェジー
を読んでいただきたい。)更に相手を尊重しないセックスを助長するのではないのか。
それをまだ未成年もたくさんいる(成人していても同意のない性行為はダメですが)大学生でランキングをつけているなんてありえないな。
ということ。
そして多くの人のSPA!への批判は、様々な記事やツイッターでの色んな人の呟きを見て、私の感じていた上記のこととそんなに遠くないんじゃないのかな?という印象を受けました。
なのですが。
SPA!への批判を「フェミニストは性に奔放な女性を悪とするのか」と受け取る人がいる現象について
平成最後の年になっても、「女性=貞節であるべき」という価値観を無意識のうちに内面化しているおじさん/おばさん保守が多いこと、しかも、その多くがフェミニストであることに驚いた。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) 2019年1月7日
https://t.co/2Tz4gkspOM
これ「蔑視だ」というのも、貞淑に価値をおく古い貞操観では?。女性が自己決定として性体験豊富になり、そういう女性が多い大学という意味だとしたら、何が悪いんだろ。>週刊SPA!に5大学すべてが「女性蔑視」と抗議 「ヤレる女子大RANKING」の特集 https://t.co/tKYseYG91k
— 田端信太郎 @田端大学塾長である! (@tabbata) 2019年1月9日
(´-`).。oO(女がセックスに奔放で何が悪いのか。女性に押し付けられた性的に無垢で清らかであれとする古い価値観を打ち砕くのがフェミニストのする事だと思っていた。ずいぶん逆行してしまったもんだ。
— ろくでなし子 祝デコまん無罪確定! (@6d745) 2019年1月11日
このあたりのツイートでしょうか。
これらの意見、すごく「ズレているな」と感じるのは私だけでしょうか?
「女性が自己決定として性体験豊かになり、そういう女性が多い大学という意味だとしたら、何が悪いんだろ。」
→そういう意味には思えないので批判されたのだと思います。
「女がセックスに奔放で何が悪いのか。」
→誰が「女がセックスに奔放なのはいけない」と言ったのか。
ちなみにろくでなし子さんにこのようにツイートを引用させてもらったら
SPA!のことかと思うのですが、批判してる人誰も「女がセックスに奔放だなんていけない!」なんて言ってないと思うのですが。
— 石川優実 (@ishikawa_yumi) 2019年1月12日
「ヤレる」という女性側の「やりたい、やりたくない」という意思が見えない表現のランキングだったから怒ったのでは? https://t.co/OSI0VOoGzP
このようなお返事をいただきました。
フェミニズムは宗教じゃありませんから、色んな考え方があって当然です。わたしはあなたの意見を特に否定もしてませんよ。なのに自分の考えが正しいと信じて疑わず、しつこく引用RTしてそれでも従わない人に「届かない」と嘆いて回る傲慢な態度がフェミニズムをダメにして来ているんだと思いますよ😊 https://t.co/WM7jS6CH6z
— ろくでなし子 祝デコまん無罪確定! (@6d745) 2019年1月12日
お返事をいただけたのは嬉しかったのですが、どうしてもズレていると感じます。
あ、もちろん色んな考え方があると思います!
— 石川優実 (@ishikawa_yumi) 2019年1月12日
そうなんですが、SPA!の件は女性が性に奔放なのは良くない!と言って批判しているわけじゃないですといろんな人が伝えてもそれへの言及が見つけられなくて、不思議に思いました。従わないのがどうとか私が正しいとかじゃないです。 https://t.co/xxzNaLzcIr
こうやって返信がいただけても、その件についての返信でもないのが自分にとってはとても疑問でした。
— 石川優実 (@ishikawa_yumi) 2019年1月12日
多分根本的には「女性が性に奔放であるかないか、女性自身が決めれば良い」という同じ考えがあると思うのですが(違っていたらごめんなさい。)なぜこのような形で真逆に行く現象が起きるのかなって。
と返信をしたのですが、その後こんなことを呟かれていて、更に「ズレている・・・」となってしまいました。
(´-`).。oO(ほんとに誰かに刺さる言葉なら、わざわざ意見が違う人のタイムラインに乗り込んで引用RTしなくても、自分のタイムラインでただボソッとつぶやいただけでもバズる。「届かない」のはその程度の意見だからでしょ…
— ろくでなし子 祝デコまん無罪確定! (@6d745) 2019年1月12日
べつにフェミの話に限らず、突然引用RTで説教してくる人達って、見知らぬ人が急に「あなたは間違えてます、わたしの意見を聞きなさい…」とか言って来たらふつうにウザいのに、感謝されるとでも思ってる風なのが凄い。その根拠のない自信、わたしもほしいわ👀
— ろくでなし子 祝デコまん無罪確定! (@6d745) 2019年1月12日
もちろん、色んな考え方があると思います。なのでろくでなし子さんの「女が奔放で何が悪い」も、考え方の一つだしむしろ私も同じ意見です。
女が自分の意思でセックスを色んな人とすることは何も悪いことじゃないし、そうなってほしい。(もちろん、したくない人はしなくて良い。)
なんだけど、ここで言いたいのはそこじゃなくて、そもそも「女が性に奔放で悪い」なんて言ってないってことです。
ろくでなし子さんは説教・考えの押し付けだと思われたようですが、果たして本当にそうでしょうか?
自分の主張を間違って受け取られていることに対しての主張は意見の押し付けなのでしょうか・・・
私や他の署名活動をした多くの人たちが、「女が性に奔放なんてダメだ!出版を取り下げろ!謝罪しろ!」と主張していたのならそれに対してのろくでなし子さんの意見として何もおかしなことはありません。
だけれど、そうではないんです。
「あなたは私たちの言葉をそう受け取っているけれど、私たちはそんなこといってませんよ、私たちの主張はこちらです」
それって、意見の押し付けとか説教とかではなく、ただ単に勘違いへの訂正というか。
「あなたは間違っています、私の意見を聞きなさい」
ではなく、
「あなたは私たちの意見を勘違いして受け取っていうように思えますが、正確に受け取ってもらえますか?」
と伝えたいわけです。
キズナアイ事件の時も同じようなことが起こりました。
「エロいから批判しているんじゃないんです、教える側と教えられる側の男女の割合、現状女性の尊厳が軽視されていること、それらの出来事があっての批判なんです」
としっかり伝えても、それに対しての返答はなく
「エロいからダメなんて、女性を軽視しているのはそちらだ!」
と返ってくる。
エロいからダメとか言ってない・・・
>>クソフェミはどこにいる?女性の選択の自由とは。 - また余計なことを・・・
今回のろくでなし子さんも結局、「ヤレるという言葉は女性の自己決定権が感じられず、そこが問題視されて批判が起きていますよ」と伝えてもそれに対しての意見は見つけられませんでした。
この現象はなんなんだろうか・・・
実際にろくでなし子さんは、「女が性に奔放であることはいけないことだからSPA!を批判します!」という人をそんなにたくさん見かけたのだろうか?
そして、それはフェミニストだったのだろうか?
私も私で、やはり見たいものしか見ていない部分はあると思うのでそのように言っている人がたくさんいるならば教えてもらえたら嬉しいです。
そして、SPA!を批判しているフェミニストがみんな「性に奔放な女は悪だ!」と言っているわけではない、ということも知ってもらえたらな、と思います。
(というか私の周りはそんな人いなくて、みんな女性も主体的に性を楽しめる世の中になってほしい、と願っている人がとても多いのだけれど・・・)
言語化の天才・しまさんに褒められた!嬉しい!
— 三河人(一切皆苦) (@mikawanodara) 2019年1月12日
「ヤレる女子大」=「主体的に性を楽しむ女性がいる女子大」だと言うなら、週刊誌は「主体的に性を楽しむ女性がいる女子大ランキング」を掲載すればいいんだよ。でもそんな記事は好まれないよね。「主体的に性を楽しむ女性」は「ヤレない女性」だから。
こちらのツイートに大変共感しました。
そう、主体的に性を楽しむ女性はきっとヤレない女性だよね。自分でやるやらないをしっかり決めることができる女性なんだから。
とりあえず、明日行われる大学側とSPA!編集側のオープントークは聞いてこようと思っています。
良かったらこちらの「私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない」を読んでの感想を書いた記事も読んでね!
フェミニズムや男女平等、ジェンダー問題に興味がある人へのオススメの本。