セクハラの線引きに文句を言う人・ハラスメントの意味とは?
先日知り合い(男性)に、半ばキレ気味に
「線引きが分かんねえんだよ!」
と言われた。
私はそのことを思い出すと腹が立って仕方がない。
しかし残念なことに、ネット上・ツイッター等ではよく見かける意見だ。
私はしかし、ネット上だけでなく現実世界に、しかも比較的仲良くしている男性からそのように言われたことがとてもショックで残念だった。
「お前もそうなのか。」と感じてしまった。
セクハラの線引きとは?
まず、「セクハラの線引き」というものについて私の考えを書こうと思う。
そんなものはない。
それが私の答えだ。
なぜなら、人はみんな違う生き物で、何に対していいと思うか、何に対して嫌だと思うか、誰が好きで誰が嫌いか、そんなものはバラバラに決まっているからだ。
セクシャル、を外して考えれば分かることではないのだろうか。
友達同士の関係で、「この人はこういう話をされるのが嫌なんだな」とか、「この人はこういう風に扱われるのは嫌なんだな」ってことはいつでもどんな時でもみんな考えているのではないだろうか?
例えば過去に離婚していて、あまりその話をしたくない、みたいなニュアンスを出した子がいたとしたらその後その話はしないとこうと思うだろう。
そういう当たり前にしていることが、セクシャルがつくとなぜかできなくなってしまう。
私がこの「線引きが分かんねえんだよ!」と言い放った男性に腹が立ったのは、セクハラを訴えられた男性が被害者かのような感覚になっているんじゃないかと感じたからだ。
まず、「自分が人を傷つけてしまった・不快な思いをさせてしまった」という「ハラスメント=嫌がらせ」の部分をすっ飛ばして、「自分はそんなつもりなかったのにセクハラをした男に仕立て上げられることへの恐怖」しか考えていない。
そう感じた。
セクハラをしたと言われたら、社会から消されると思っているのだろうか?
実際に社会で問題になっている様々なセクハラの問題は、どう頑張っても擁護できない、線引きとかの問題じゃないから社会的に問題になっているのではないだろうか。
それにあれだって、セクハラをされたと女性が訴えた時に謝っていれば全然その後の展開が違ったのではないか。
自分はそんなつもりがなかったとはいえ、相手は不快な思いをしてしまった。それに関してまずは謝るのがごくごく当たり前のことなんじゃないのか。
その上で、「嫌な思いをさせているとは思わなかった」、等話せばいいのだ。もちろん分からずにしてしまう人もいるだろうから。
「ハラスメント」という言葉の意味とは?
「ハラスメント」の意味を、今一度考え直してもらいたいと強く思う。
「嫌がらせ」。相手が「嫌がらせをされた」と考えている。
まずはそれを考えるべきなのではないだろうか。
私はよく、セクハラの問題は「いじり」の問題と近いんじゃないかなぁと感じる。
いじりだって、お互いが合意していればオッケーの楽しい交流だ。
しかしそれを見誤ると、いじめになりかねない。
もし、相手の意思を汲み取らずに相手が嫌だと思ういじりをしてしまった場合、
「あれは傷ついたからやめてほしい」と言われたら、まずは「ごめんなさい」というのではないだろうか。その言葉を言わずに、「お前の気にしすぎだ」「お前がいじられたいような態度を見せていたから」などとなったらおかしな話だと思わないだろうか。
たまに「セクハラと直接言われずに陰で言われてたらどうしようもないじゃないか!自分の評判が下がる!」というような反論をしてくる人がいるが、それだってセクシャルなことに限らずそうだ。
先ほど例に挙げたいじりの問題だって、本人に言えずに陰で相談している人はいるかもしれない。どんな人間関係でもそれはあり得る。セクハラだけが特別なものではない。
セクハラだけがこのように特別扱いをされてしまうのは、私はやはり「女は嫌なことがあっても我慢しろ」という気持ちが根本にあるからなのではと思ってしまう。
男性には分からないことが多い、女性の傷つく気持ち、不快感。だから黙っておけ。我慢しろ。そうすれば済むんだから・・・
そんな気持ちが根本にあるのではないか。
線引きが分からねぇんだよという人に改めて問いたい。それは、「=線引きが分からないんだから嫌なことがあっても我慢しろ」という意識が裏にはないだろうか?じゃなかったら、線引きがどうこうという話にならないと私は思う。
自分の中にある気持ちをもう一度問直して欲しい。
人の嫌がる事はしない。してしまったら謝る。それだけのことのはず。