#metooトークイベント@B&Bありがとうございました。
こんにちは。グラビア女優石川優実(@ishikawa_yumi)です。
#metooトークイベント@下北沢B&B
先日、下北沢にある本屋さんB&Bさんで、#metooのトークイベントに登壇しました。
年末に#metooについて記事を書いたのですが、
記事はこちら>>#Me Too「私も。」|石川優実|note
これを読んで下さった、性暴力の現状をついて取材をしているライターの小川たまかさん(@ogawatam)が声をかけてくださり、企画をしてくださいました。
まず、たくさんの方々が足を運んでくださいました!70名様ほど!
本当にありがとうございます。
とっつきにくい問題だと思います、楽しそう!ワクワク、な印象のイベントではないと思います、そんな中、貴重なお時間を割いてきて下さった勇気と行動力、本当に感謝しています。
私は今回が初めて、大勢の方の前で#metooについてお話しさせていただく機会でした。
これまでは全て文章だったので。
私は頭の回転がなかなか遅くて、トークが苦手なんです。
だから正直とても不安で、さらに緊張するとなんの話してたのかわからなくなるという大変困った脳みその持ち主なので大丈夫かな、と思っていたのですがなんとか一応終わりました。
伝わったのかな。
当日来て下さっていた弁護士ドットコムニュースの園田昌也さんが記事を書いてくださいました。
この記事を読んで、「良かった。言いたいこと汲み取ってもらえてる。」と嬉しい気持ちになりました。園田さんありがとうございます。
当日は色んな話をしましたが、今日は主に私が話させていただいた#metooするきっかけとその後、をこちらにも掲載しておこうと思います。
#metooの記事を書いた経緯
今まで、知り合いに対してやツイッターなどで過去の露出が辛い、くらいのつぶやきはしたことがありました。
が、言ってもやはり
「お前がしっかりしていないからそうなったんだ。」
「ブスだからそのくらいの露出はしなければ当たり前。」
「そういうもんだから諦めろ。」
「やってしまったことを愚痴っても仕方ない。
「過去の作品を買ってくれたファンに失礼だ。」
と言われ続けて来ました。
なので堂々と被害を言えずにいましたが、心の中でずっと大きなモヤモヤとして残っていました。
私は無理やり露出の強要をされていた頃のグラビアの表現がすごく嫌いで、その世界で生きて来て「映画で脱いで女優にシフトチェンジする」というのがとてもかっこいいことだと思い、自らの希望でやったことだったので、もう前みたいな嫌なグラビアからは抜け出していて、今は自分の自ら望む体の表現をしています。
だから、もう過去のことは忘れて、今は自分のやりたいことができているからいいじゃないか、と言い聞かせていました。
が、やはり当時の傷が癒えていなかったのか、ツイッター等で過去のグラビアの画像が流れてくるとすごく苦しくなるし、当時のことを鮮明に思い出して夜に泣く、と言ったことは定期的にありました。(発売されると聞いていなかったものが発売され、それが今でもツイッターで定期的に流れて来ます。発売されることを聞いていなかったので映像チェックをしておらず、修正等もされていません。)
一生悲しんで生きていくのかな、と思いながら、いつか忘れられるのかな、もしくは今の女優としての活動が認められればそれさえも良い思い出、みたいにできるのかな、と思って過ごして来ました。
そんな中、はあちゅうさんの告発の記事を見つけ、
「これは私がずっと感じていた感情の種類のものと同じなんじゃないのか?」
と思いました。
それより以前から、とてもなんとなくですが#metooの存在は知っていました。海外の有名な女優さんたちが、ひどい性被害を訴えている。けれど自分とはなんの関係もないハッシュタグだと思い、そんなに詳しく調べようともしませんでした。
しかし、はあちゅうさんの記事を読み、そこからツイッターで#metooを辿っていくと、「ああ、私もだ。」と思える投稿がたくさんたくさんありました。
そして、初めて#metooのハッシュタグをつけて過去のグラビアの露出強要の問題を軽く呟くとたくさんの反応があり、
「大変だったね。」「辛い思いをされていたんですね。」
との声をたくさんいただき、
「やっと自分が辛かったことを堂々と言って受け入れてもらえる時代が来たんだ」
と思いました。
そこから全て、自分の中で今までずっと苦しんできたことについてしっかり記事を書こう、と決めて書きました。
ほとんど衝動的でしたし、書くのに時間はそんなにかかりませんでした。3時間くらい。
今まで10年間ずっとずっと考えてきたことだったので、文章にすることはそんなに難しくありませんでした。
ただ、書いている最中に当時のことを思い出してわんわん泣きましたし、手が勝手に打ってくれた言葉を見て、
「あ、私はこんなことをずっと感じていたんだ。」と言う驚きなんかもありました。(私は私のことを、汚いと思っています、と言う文章など)
この記事を書いた時に言われるであろうセカンドレイプ的な言葉は、今まで10年間人に相談した時に全て言われ続けてきた言葉だったので想像がつきました。
なのでそう言わせないための文章を書きました。
10年間言われ続けたセカンドレイプの言葉がセクハラや性強要を解決することに役に立たないことはわかっていたので、私の文章を読んでそんな論争にで溢れて本来の問題を忘れられたら困ると思ったからです。
書いている最中はとにかく「私が書かなきゃ!」と言う責任感みたいなものに駆り立てられていました。
当時私は全然仕事がなくて、結婚もしていないしもちろん子供もいないし、特に失うものがなかったんです。
同じような被害にあって苦しんでいる人がいても、映画の撮影真っ最中だったり活躍真っ最中だったり、旦那さんがいたりお子様がいる人たちには今の状態の日本では絶対に告白はできないと感じました。
それくらい性被害、特に芸能界となると告白することは自分の生活の全てをひっくり返されてしまうほど大変リスクのあることだと思っていました。
私は1年ほど前から男女の性についてすれ違いが本当に多いと思っていたので赤裸々に話す発信の仕方をしていて、セックスなどについて話していたので、(この時の女優なのに?とか、よく馬鹿にされましたが)今更枕営業等について話すことに対して抵抗がなかったことも言えた一つの要因であると思います。
芸能の仕事はもう別になくなってもいいか、もしこれで全部なくなったら今やってる自分のブログをもっと育てて男女の性や被害のことについて自分で記事を書いて発信すれば良いし、バイトしながらやれば生活はなんとかなるし。
そんな気持ちでした。
と同時に、この自分の告白は絶対に世の中を変える、たとえ小さくても第一歩になると言う確信もあったと思います。
#metooの記事を書いた後の影響
私に直接的に嫌な言葉を言ってきた人はあまりいませんでした。(掲示板などでは見ましたが、それでもそこまで酷かった、と言う印象は受けていません)
「自分もずっと苦しんできたので、同じような思いをしている人がいると知って心が楽になりました。」
と言ってもらい、その言葉に私も同時に癒されました。
「自分は性被害者なんだ」
という認識ができました。
そのようなことを今までよりさらに考えるようになり、以前より自分自身を尊重できるようになったと思います。
それは自分の心をこれ以上傷つけないためにとても有効だなと感じています。
あと、人にセクハラの被害を伝える時も、以前より伝えやすくなった気がします。
#metooのトークイベント、ありがとうございました。
以上、長くなりましたが、自分の話したことを記載させていただきました。
年末に#metooの記事を公開して以来、ネット上では発信をしていますがたまに、
「本当に私がやっていることは正しいんだろうか。」
「そもそも、他に苦しんでいる人が本当に世の中にいるのだろうか。」
という孤独感が襲ってくることが多々あります。
そんな中、直接顔を見てお話を聞いてくださる人がたくさんいて、それは確実に私の中で勇気と安心感になりました。
とてもとても感謝しています。
もちろんネット上でも、たくさんの方から応援の声をかけていただきいつも本当に感謝しています、泣いてます。笑(本当に。)
トークイベントを企画してくださった小川たまかさん(小川たまか🦑ホタルイカ・ボイル派 (@ogawatam) | Twitter)
私は年末に記事を書いた時、今後のことをほぼ何も考えていなかったので、記事を読んでくださり、声をかけてくださり、このような形でイベントを開催してくださり、とてもとても感謝しています。(たまかさんのツイッターを見るたびにホタルイカが食べたくなる)
三浦ゆえさん(三浦ゆえ (@MiuraYue) | Twitter)
以前からゆえさんの記事を読んでいて、今回まさかご一緒させていただけるなんて本当に夢のようでした。
私が男女の性の認識の違い等の発信を始めた頃特にゆえさんの記事から勇気をいただいていました。
町田彩夏さん(町田彩夏/まっちー (@Ayaka_m_y) | Twitter)
とっても面白い方で惚れました。笑
私がこのくらいの年齢の時、マジで何にも考えてなかったな・・・と思うと本当に尊敬していますし、高橋まつりさんの事件のことを本当に悔しいと思ってくれているんだ、ということがひしひしと伝わって来て、胸が熱くなってしまいました。
これからも私は、自分の信じる思いを発信して行きます。
結局のところ問題なのは、人権の話になってくるのかな、と感じています。
セクハラや性暴力が起こるその原因は、他人のことを尊重するという当たり前のことができていないからなのかなと感じています。
私は告白したような性被害や、世間的には軽いと言われるであろうセクハラにあった時どれも、
「自分がもののように扱われている。」
「自分の意思が無視されている。」
と感じて悲しく、辛く、悔しく、絶望して来ました。
だけれど私だって、本当に全人類のことを今まで尊重して生きて来たのか?と言われたら胸を張って「はい!」とは言えません。
心のどこかで下に見てしまったりバカにしていたり、そんなこともきっとありました。
それをしっかりとこれから反省し続け、今後は私は絶対にそんなことはしない。
そして私は私を、しっかりと尊重し続ける。
そんな気持ちを軸に、まだまだ自分自身分からないこと、どうした良いのか迷うこと、たくさんありますがしっかりと向き合って行きたいと思います。
本当にありがとうございました。